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助成金申請に必須!出勤簿と賃金台帳の正しい作り方

いつもご覧いただきありがとうございます。
社会保険労務士法人ワンステップです。
今回の記事は、助成金申請に欠かせない「出勤簿」と「賃金台帳」の作成方法について解説いたします。
これらは労働基準法で定められた“三大帳簿”の一部であり、適切に整備されていなければ、助成金の受給が難しくなることもあります。 「出勤簿ってどこまで書けばいいの?」「賃金台帳の内訳はどう整理すればいい?」といった疑問を持つ企業様に向けて、必要な記載事項や作成のポイント、さらに具体的なサンプルも交えて、和歌山の社労士法人ワンステップがわかりやすくご紹介します。
労務管理の三大帳簿とは
企業が労働基準法で作成・保存を義務づけられている帳簿をご存じでしょうか。
それが、労務管理の三大帳簿と呼ばれる以下の3つです。
-
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- 労働者名簿
従業員ごとの氏名・生年月日・雇入年月日などを記録した台帳。 - 出勤簿(勤怠記録)
日ごとの出退勤時刻や労働時間、休日・欠勤の状況を記録した帳簿。 - 賃金台帳
基本給や手当、残業代、控除項目など賃金支払いの内容を記録した帳簿。
- 労働者名簿
-
この三大帳簿は労基法で作成・保存(3年間)が義務づけられており、さらに助成金申請時には必須提出書類として求められます。つまり、帳簿が適切に整備されていなければ、助成金の受給ができないケースもあります。
本記事では、このうち助成金の審査で特に重要となる「出勤簿」と「賃金台帳」の作成方法について解説します。
出勤簿の作成方法
出勤簿は、労働者の勤務実態を客観的に証明する帳簿です。
必須記載事項
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- 氏名
- 日ごとの出退勤時刻
- 休憩時間
- 実労働時間数
- 休日・欠勤・遅刻・早退の記録
- 時間外労働・深夜労働の時間数
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作成のポイント
打刻システムやタイムカードなど、客観的な記録方法が望ましい
修正時は「二重線+訂正印」で残す(修正液・消しゴムはNG)
法定休日と所定休日を区分して明記する
残業時間が36協定と整合しているかを確認する
簡単な例をお見せします!
日付 |
出勤時刻 |
退勤時刻 |
休憩 |
実労働時間 |
区分(欠勤・休日等) |
備考 |
7/1 |
9:00 |
18:00 |
1:00 |
8:00 |
出勤 |
|
7/2 |
9:05 |
18:10 |
1:00 |
8:05 |
出勤 |
残業0.1H |
7/3 |
– |
– |
– |
0:00 |
欠勤 |
体調不良 |
7/4 |
9:00 |
17:00 |
1:00 |
7:00 |
出勤 |
早退 |
7/5 |
– |
– |
– |
0:00 |
法定休日 |
賃金台帳の作成方法
賃金台帳は、労働者への賃金支払いの内容を証明する帳簿です。
必須記載事項(労基法108条)
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- 氏名・性別・生年月日
- 雇入年月日
- 労働日数・労働時間数
- 基本給・手当の種類と額
- 控除項目(健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税など)
- 総支給額・控除合計・差引支給額
-
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作成のポイント
出勤簿に記録された労働時間と一致していることが必須
基本給・残業代・手当を区分して記載(まとめて「給与」としない)
控除項目を分けて記載し、透明性を確保する
雇用保険・社会保険の適用状況と整合性を確認する
簡単な例をお見せします!
氏名 |
基本給 |
時間外手当 |
役職手当 |
通勤手当 |
総支給額 |
健保 |
厚年 |
雇保 |
所得税 |
控除合計 |
差引支給額 |
山田 太郎 |
200,000円 |
12,500円 |
10,000円 |
5,000円 |
227,500円 |
10,000円 |
18,300円 |
1,350円 |
3,500円 |
33,150円 |
194,350円 |
賃金台帳や出勤簿の様式はネット上に多く配布されています。ぜひ参考にしてみてください。
出勤簿と賃金台帳の整合性がカギ
助成金申請では、審査担当者が 「出勤簿の勤務実態」と「賃金台帳の支払い実績」 を照合します。
よくある不備として、
- 出勤簿の残業時間と賃金台帳の残業代が一致していない
- 欠勤や休日出勤が出勤簿にあるのに、賃金台帳に反映されていない
- 賃金台帳で総額しかなく、手当や控除の内訳が不明
などが挙げられます。これらは助成金の不支給につながる大きなリスクです。
まとめ
出勤簿と賃金台帳は、単なる記録ではなく、助成金の審査を通すための重要な証拠資料です。
三大帳簿を正しく整備することは、法令遵守はもちろん、従業員との信頼関係や会社の信用を守るうえでも欠かせません。
これから助成金申請を検討している事業主の方は、ぜひ一度、自社の出勤簿・賃金台帳の整備状況を確認してみてください。正しく整備することで、助成金を安心して活用でき、企業は人件費負担を抑えつつ将来に向けた力強い一歩を踏み出すことができます。
「自社の帳簿の作り方が正しいか不安」
「助成金申請に耐えられるかチェックしてほしい」
といったお悩みがありましたら、ぜひ社会保険労務士法人ワンステップまでお気軽にご相談ください!
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