「退職代行」を使われたら?和歌山の会社が知るべき冷静な対処法と法的リスク - 社会保険労務士法人ワンステップ/総勢10名超・創業20年超の老舗社労士事務所

和歌山の社労士による助成金申請・労務相談サポート

「退職代行」を使われたら?和歌山の会社が知るべき冷静な対処法と法的リスク

2025.12.01 コラム

いつもご覧いただきありがとうございます。
社会保険労務士法人ワンステップです。

近年、和歌山県でも
「従業員が退職代行を使って突然辞めた」
というご相談が急増しています。

突然の連絡に驚き、
「出社してもらわないと困る」
「代行からの連絡にどう返せば良い?」
と慌てがちなテーマです。

しかし、対応を誤ると法的トラブルに発展する可能性があります。
今回は、中小企業が知っておくべき“冷静な対応”を分かりやすく解説します。


1. そもそも「退職代行」は合法?

結論:
従業員の退職意思そのものは有効です。

ただし、代行業者の立場により対応が変わります👇

■ ① 弁護士による退職代行

→ 労働者の代理人となれるため、交渉も可能
→ 会社は弁護士を“退職の意思表示の窓口”として受け取ればOK

■ ② 一般の退職代行業者(弁護士資格なし)

→ 法律上、会社との交渉はできません
→ “退職意思を伝えるだけ”に留まるのが原則

⚠️ 一般業者が交渉してくる場合、違法の可能性があり慎重な対応が必要です。


2. 会社が絶対にしてはいけない NG対応

退職代行の連絡を受けた際、
次の行動は法的リスクが生じる恐れがあります。

  • 「受け付けない、本人が来ないとダメ」と拒否する

  • 本人へ執拗に電話・SNSで連絡する

  • 退職届の提出を強制する

  • 最終出社を強要する

  • 職場に来ないことを理由に懲戒処分する

これらは パワハラ・強要・不当な懲戒として
争われる危険があります。


3. 対処法:和歌山の会社が“最初にやるべきこと”

✅① 退職意思を「受領」する

まずは落ち着いて、
退職代行業者からの連絡を “退職の意思表示”として受け取る

退職日は、

  • 就業規則の規定(例:2週間前、1か月前など)

  • 法律上の期間(原則2週間)
    を基準に判断します。

✅② 本人に必要以上に連絡しない

本人に直接連絡すると、
“退職妨害” と捉えられるケースがあります。
代行から「連絡しないで」と言われた場合は特に慎重に。

✅③ 書類(離職票など)は通常どおり処理

退職手続きは通常どおり進め、
必要書類は自宅へ郵送で対応します。

✅④ 備品返却は「求めるだけ」

強制するとトラブルになるため、
・返却物
・返却方法(郵送OK)
を丁寧に案内するだけで十分です。


4. 退職代行で特に問題になりやすい “3つのポイント”

■① 有給消化の扱い

代行業者が「全部消化させて」と要求してくることがありますが、
交渉権限のない業者の要求に応じる義務はありません。
ただし、取得申請が事前にされている場合は要確認。

■② 即日退職の希望

労働者側には「2週間後に退職する権利」があるため、
即日退職は必ずしも認める必要はありません。
(就業規則に1か月前とある場合はその規定を優先)

■③ 会社への損害賠償はほぼ認められない

欠勤や即日退職により
「損害賠償を請求したい」と相談を受けますが、
日本の労働法制では 損害賠償が認められるケースは極めて稀 です。


5. 和歌山の中小企業が“今のうちに”整えておくべきこと

① 退職手続きの社内ルールを明確化

説明責任が曖昧だと、社員は退職代行に流れやすくなります。

② 就業規則の整備

・退職手続き
・引継ぎ
・有給取得
・備品返却
などのルールを具体化しておくことが重要。

③ 職場環境の改善

退職代行の利用が多い企業の特徴は「相談しづらい空気」。
日頃から不満を溜めない運用が大切です。


6. ワンステップに相談するメリット

**社会保険労務士法人ワンステップ(和歌山県和歌山市)**では、

  • 退職代行対応の実務アドバイス

  • 就業規則の整備・改善

  • 未払い残業代や労使紛争の予防

  • 和歌山・大阪・奈良での多数の企業サポート実績

など、企業側のリスクを最小限にする支援を行っています。

👉 社会保険労務士法人ワンステップ公式サイト


7. まとめ

退職代行の利用は増えていますが、
慌てる必要はありません。

大切なのは👇

  • 退職意思は冷静に受領する

  • 非合法な交渉に乗らない

  • 本人への過度な連絡は避ける

  • 書類と手続きを淡々と進める

そして、就業規則や社内ルールの整備が最大の予防策になります。

ワンステップが、企業の実情に合った最適な対処法をご案内します。

参考リンク

👉 労働契約法 に関する解説(厚生労働省公式)

執筆者情報
社会保険労務士法人ワンステップ 代表社員 社会保険労務士 千田佳昭
保有資格社会保険労務士 行政書士
専門分野助成金申請サポート 人事労務サポート
一言当法人は2005年に創業し、その後2019年に社会保険労務士法人ワンステップへと法人化しました。創業から15年を超えても一貫して「人事労務の手続きサポート・助成金の積極提案」を主軸に取り組んできました。 人事労務のサポートを通じてより良い企業づくりと、それを通じた地域の発展を支援することが当法人の役割です。お客様のため、地域のために何ができるか日々研究し、実践しています。 お困り事があれば、まずはお電話やメール等でお気軽にお問い合わせください。
本件に関する無料相談はこちら

最新のお知らせ・セミナー情報

  • 2025.12.01 コラム
    「退職代行」を使われたら?和歌山の会社が知るべき冷静な対処法と法的リスク
  • 2025.11.25 コラム
    従業員の副業、どこまで許可する?和歌山の中小企業向け「副業規定」の作り方
  • 2025.11.17 コラム
    【判例解説】社長、その残業代の計算間違っています!中小企業が見落とす割増賃金の罠
  • 2025.11.10 コラム
    【2025年4月施行】労働条件明示ルール変更、和歌山の中小企業が今すぐ準備すべきこと
  • 2025.11.04 コラム
    助成金を活用した「賃上げ」、従業員への伝え方で満足度は変わる!

労務サービス

無料診断サービス

労務相談のご予約はこちらから 労務相談のご予約はこちらから

073-488-4277

受付:平日9:00〜18:00

アクセス

PAGETOP