就業規則の「不利益変更」は可能?従業員の同意を得るための正しい手順 - |

和歌山の社労士による助成金申請・労務相談サポート

就業規則の「不利益変更」は可能?従業員の同意を得るための正しい手順

2026.01.26 コラム

就業規則いつもご覧いただきありがとうございます。
社会保険労務士法人ワンステップです。

「就業規則を変えたいけど、従業員にとって不利になる内容でも変更できる?」
「同意が取れないときはどうする?」

このテーマは、和歌山の中小企業様から特にご相談が多い分野です。
結論から言うと、就業規則の不利益変更は“絶対にダメ”ではありませんが、手順を誤るとトラブルに直結します。

本記事では、
・不利益変更が問題になりやすい理由
・従業員の同意を得るための正しい進め方
・実務で失敗しないポイント
をわかりやすく整理します。

まずは制度の公式な説明もご確認ください👇
厚生労働省:「就業規則の変更手順と留意点」
https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/qa/zigyonushi/syuugyoukisoku/q7.html


1.そもそも「不利益変更」とは?

不利益変更とは、従業員にとって
賃金や労働条件が悪くなる方向の変更を指します。

例としては、
・基本給や手当の引下げ
・退職金制度の縮小
・賞与支給基準の厳格化
・休日数の減少
・労働時間やシフトの不利な変更

などが典型です。

👉「会社のルールだから変えればOK」と思われがちですが、ここが落とし穴です。


2.不利益変更は「同意があればOK」なのか?

実務では、まず押さえるべき考え方があります。

・個別の労働条件(賃金など)は、基本的に本人の同意が必要
・就業規則の変更だけで一方的に不利にするのはリスクが高い

つまり、会社側が安全に進めるなら、
従業員の同意を得て進めるのが最優先です。

ただし、全員の同意が取れない場合もあります。
その場合は「合理性」が強く問われるため、準備が重要になります。


3.同意を得るための正しい手順(実務フロー)

不利益変更は「内容」よりも、実は 進め方が9割 です。

① 変更理由を整理する(説明できる形にする)

まずは会社側で、なぜ変更が必要なのかを明確にします。

・経営状況の悪化
・人件費バランスの見直し
・制度が現状に合っていない
・同一労働同一賃金への対応
・評価制度の導入に伴う変更

📌 ここが曖昧だと、従業員は納得しません。


② 影響範囲を具体的に見える化する

従業員が不安になるのは、
「結局いくら下がるの?」「自分はどうなるの?」が分からないからです。

・誰が対象か
・いつから変わるのか
・どの項目が変わるのか
・金額や条件がどう変化するのか

を、資料で明確にします。


③ 代替策・緩和措置をセットで提示する

不利益変更を通すには、
「会社の都合」だけではなく 従業員側の納得材料 が必要です。

例:
・段階的に変更する(急激に下げない)
・経過措置を設ける
・一部手当で補填する
・評価制度を導入し上がる道も作る

👉「下げる」だけでなく「納得できる設計」が重要です。


④ 説明→意見聴取→同意取得の順で進める

いきなり同意書を出すと、反発が強くなります。

・説明会を行う
・個別面談で質問を受ける
・意見を聞き、必要なら修正する
・同意書を回収する

この順番で進めると、トラブルを減らせます。


⑤ 同意書は「書面」で残す

口頭の同意は後で争いになりやすいです。

・変更内容
・適用開始日
・同意したこと

が分かる形で、書面を残します。


4.よくあるNG対応(トラブルになりやすい)

不利益変更で失敗しやすい例はこちらです。

・説明をせず、就業規則だけ差し替える
・同意書だけ配って「サインして」で終わる
・反対者を放置して強行する
・賃金カットの根拠が曖昧
・「会社が決めたから」で押し切る

こうした対応は、後から
「同意していない」「一方的だ」
と争いになりやすくなります。


5.和歌山の中小企業がやるべき現実的な進め方

不利益変更を安全に進めるためには、次がポイントです。

・まずは同意取得を目指す
・説明資料を作り、理解と納得を得る
・経過措置や代替案を準備する
・同意書は必ず書面で残す
・就業規則の改定だけでなく、運用まで整える

「就業規則を変えたから終わり」ではなく、
従業員への伝え方までが制度設計です。


6.ワンステップに相談するメリット

**社会保険労務士法人ワンステップ(和歌山県和歌山市)**では、
不利益変更を含む就業規則改定について、

・変更のリスク整理
・従業員説明用の資料作成
・同意書の文案作成
・就業規則の改定と労基署届出
まで、一貫して支援しています。

社会保険労務士法人ワンステップ公式サイト
https://www.onestep-sr.jp/


7.まとめ

就業規則の不利益変更は可能ですが、
手順を間違えるとトラブルになりやすい分野です。

・変更理由を整理する
・影響を見える化する
・緩和措置も用意する
・説明→意見聴取→同意取得
・同意は書面で残す

これが、会社を守りながら進めるための基本です。

「この変更は不利益になる?」
「同意が取れそうにない」
という場合は、実行前に専門家へ相談することが最も安全です。

執筆者情報
社会保険労務士法人ワンステップ 代表社員 社会保険労務士 千田佳昭
保有資格社会保険労務士 行政書士
専門分野助成金申請サポート 人事労務サポート
一言当法人は2005年に創業し、その後2019年に社会保険労務士法人ワンステップへと法人化しました。創業から15年を超えても一貫して「人事労務の手続きサポート・助成金の積極提案」を主軸に取り組んできました。 人事労務のサポートを通じてより良い企業づくりと、それを通じた地域の発展を支援することが当法人の役割です。お客様のため、地域のために何ができるか日々研究し、実践しています。 お困り事があれば、まずはお電話やメール等でお気軽にお問い合わせください。
本件に関する無料相談はこちら

最新のお知らせ・セミナー情報

  • 2026.01.26 コラム
    就業規則の「不利益変更」は可能?従業員の同意を得るための正しい手順
  • 2026.01.19 コラム
    年5日の有給休暇取得義務、パート・アルバイトへの正しい管理方法
  • 2026.01.13 コラム
    和歌山労働局の「個別労働紛争解決制度(あっせん)」を申し立てられたら?
  • 2026.01.05 コラム
    試用期間中の解雇は簡単じゃない!トラブルにならないための評価と手続き
  • 2025.12.22 コラム
    「おとなしいけど仕事が遅い…」能力不足の社員にどう向き合う?指導と解雇の境界線

労務サービス

無料診断サービス

労務相談のご予約はこちらから 労務相談のご予約はこちらから

073-488-4277

受付:平日9:00〜18:00

アクセス

PAGETOP