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「退職代行」を使われたら?和歌山の会社が知るべき冷静な対処法と法的リスク
いつもご覧いただきありがとうございます。
社会保険労務士法人ワンステップです。
近年、和歌山県でも
「従業員が退職代行を使って突然辞めた」
というご相談が急増しています。
突然の連絡に驚き、
「出社してもらわないと困る」
「代行からの連絡にどう返せば良い?」
と慌てがちなテーマです。
しかし、対応を誤ると法的トラブルに発展する可能性があります。
今回は、中小企業が知っておくべき“冷静な対応”を分かりやすく解説します。
1. そもそも「退職代行」は合法?
結論:
従業員の退職意思そのものは有効です。
ただし、代行業者の立場により対応が変わります👇
■ ① 弁護士による退職代行
→ 労働者の代理人となれるため、交渉も可能
→ 会社は弁護士を“退職の意思表示の窓口”として受け取ればOK
■ ② 一般の退職代行業者(弁護士資格なし)
→ 法律上、会社との交渉はできません
→ “退職意思を伝えるだけ”に留まるのが原則
⚠️ 一般業者が交渉してくる場合、違法の可能性があり慎重な対応が必要です。
2. 会社が絶対にしてはいけない NG対応
退職代行の連絡を受けた際、
次の行動は法的リスクが生じる恐れがあります。
-
「受け付けない、本人が来ないとダメ」と拒否する
-
本人へ執拗に電話・SNSで連絡する
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退職届の提出を強制する
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最終出社を強要する
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職場に来ないことを理由に懲戒処分する
これらは パワハラ・強要・不当な懲戒として
争われる危険があります。
3. 対処法:和歌山の会社が“最初にやるべきこと”
✅① 退職意思を「受領」する
まずは落ち着いて、
退職代行業者からの連絡を “退職の意思表示”として受け取る。
退職日は、
-
就業規則の規定(例:2週間前、1か月前など)
-
法律上の期間(原則2週間)
を基準に判断します。
✅② 本人に必要以上に連絡しない
本人に直接連絡すると、
“退職妨害” と捉えられるケースがあります。
代行から「連絡しないで」と言われた場合は特に慎重に。
✅③ 書類(離職票など)は通常どおり処理
退職手続きは通常どおり進め、
必要書類は自宅へ郵送で対応します。
✅④ 備品返却は「求めるだけ」
強制するとトラブルになるため、
・返却物
・返却方法(郵送OK)
を丁寧に案内するだけで十分です。
4. 退職代行で特に問題になりやすい “3つのポイント”
■① 有給消化の扱い
代行業者が「全部消化させて」と要求してくることがありますが、
交渉権限のない業者の要求に応じる義務はありません。
ただし、取得申請が事前にされている場合は要確認。
■② 即日退職の希望
労働者側には「2週間後に退職する権利」があるため、
即日退職は必ずしも認める必要はありません。
(就業規則に1か月前とある場合はその規定を優先)
■③ 会社への損害賠償はほぼ認められない
欠勤や即日退職により
「損害賠償を請求したい」と相談を受けますが、
日本の労働法制では 損害賠償が認められるケースは極めて稀 です。
5. 和歌山の中小企業が“今のうちに”整えておくべきこと
① 退職手続きの社内ルールを明確化
説明責任が曖昧だと、社員は退職代行に流れやすくなります。
② 就業規則の整備
・退職手続き
・引継ぎ
・有給取得
・備品返却
などのルールを具体化しておくことが重要。
③ 職場環境の改善
退職代行の利用が多い企業の特徴は「相談しづらい空気」。
日頃から不満を溜めない運用が大切です。
6. ワンステップに相談するメリット
**社会保険労務士法人ワンステップ(和歌山県和歌山市)**では、
-
退職代行対応の実務アドバイス
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就業規則の整備・改善
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未払い残業代や労使紛争の予防
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和歌山・大阪・奈良での多数の企業サポート実績
など、企業側のリスクを最小限にする支援を行っています。
7. まとめ
退職代行の利用は増えていますが、
慌てる必要はありません。
大切なのは👇
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退職意思は冷静に受領する
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非合法な交渉に乗らない
-
本人への過度な連絡は避ける
-
書類と手続きを淡々と進める
そして、就業規則や社内ルールの整備が最大の予防策になります。
ワンステップが、企業の実情に合った最適な対処法をご案内します。
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